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「私の少年」感想レビュー。アラサーOLは美少年に恋をする?

今回紹介するマンガは高野ひと深先生による作品「私の少年」です。

アラサーOLと美少年小学生の恋愛を描いた「私の少年」。
母性で接していた付き合いから徐々に恋愛へと昇華されつつある二人の気持ちが狂おしいほど美しく、魅了される作品だ。

現在、発売巻数はまだ2冊なので大きなストーリー展開はないが、読者を惹きつける魅力のある文才と絵に、個人的に注目しています!

そんな「私の少年」の感想レビューを書いたので、ご覧ください。

アラサーOLと貧乏小学生の恋物語…?

スポーツメーカーに勤める多和田聡子(30)は夜の公園で12歳の美しい少年・早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は互いを必要なものと感じていく。この感情は母性? それとも――。

メインの登場人物は二人。
主人公の多和田聡子と、聡子が公園で見つけた早見真修という美少年だ。
タイトルの「私の少年」とは、まさに聡子目線から見た真修の二人を差す言葉で間違いないだろう。

結婚を考える年齢でもある聡子が一回り以上も年下の真修と出会う事から物語は始まる。
真修の抱える悩みや生活環境に徐々に足を踏み込んでいく聡子は、いつの間にか毎日を真修の事を考えながら過ごしていた。

真修も真修で、自分にこれだけ優しくしてくれる聡子に対し”優しくしてくれるお姉さん”以上の気持ちを抱き始める。

片方はアラサーOL、片方は小学生。
そんな複雑で未だ掴めない恋心(?)に葛藤する二人の物語が「私の少年」だ。

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「私の少年」感想レビュー

僕が「私の少年」を知ったのは2巻が発売してからのことだった。
たまたま寄った本屋さんでのこと、新作と銘打って書店に並んでいた2巻の表紙を飾る真修の瞳に目が釘づけとなり、すぐさま手に取った。
「私の少年」の絵はそれほど魅了し惹きつける魅力がある。

そうして手にした「私の少年」の第1話を観てみると、女性のひざ枕をしてもらいながら横たわる美少年。
そして「わたしはあれから息をしてるあいだずっとこの子ばかりを思ってしまう」というプロローグに、誰かに気にするな!と言われても無理な話なのは目に見えていた。
“あれから”に繋がる事件が何かが今後の楽しみである。

美しく繊細に描かれた心情

「私の少年」を読んで思った事は、人の心情が美しく繊細に描かれているなぁと感じた。
特に聡子だが、個人的に僕の想いと重なるところが多く、感情移入という点ではのめり込みやすい作品でした。

聡子の恋愛は、大学時代に1年間付き合っていた椎川という男との恋愛から終わっている。
この椎川だが、聡子が現在働いている会社の先輩として今なお共に働き、時間を共有している男である。

“同じサークル”という理由からたまたま付き合った二人だったが、付き合ってから365日目、ちょうど1年経過したときに聡子は椎川に振られる。

「もともとほんとに好きじゃなかった」「未練は無い」と聡子は言うが、本当にそう思っていたのだろうか。
というのも、椎川が新しい彼女を聡子に紹介した際、泣いて崩れ去る聡子が居たからだ。

「そんなに好きじゃなかった。未練なんてひとつもない。それは間違いない。」
上記で僕は「本当にそうなのだろうか?」と思ったが多分それはそうなのだろう。

しかしその後のこの言葉。
「あれからずっと、彼もわたしと同じものを抱えて生きているとばかり勝手に思い込んでいた」

付き合っていたことにお互い未練は無い。
しかし”お互いがお互いを一番に思っている”というどこか共依存的安心感を聡子は思っていたのかなと感じた。

そう思い、泣き崩れる聡子を抱きしめる真修の姿がとても美しかった。

真修の家庭環境

真修の家庭環境は、この作品の気になるところの一つだった。

そもそも聡子と真修の出会いは、夜にサッカー練習をしている真修を聡子が見かけるところから始まる。
その時間帯は小学生の子供が出歩く時間ではなく、そんな時間帯に平気で出歩ける真修を不自然に思う聡子であった。

その他にも気になるシーンはチラホラあって…

  • 聡子の家に急遽泊まっても大丈夫
  • ちらかった部屋
  • 死んだ母親
  • 父親に似た弟、父親に似ていない真修

真修はある種のネグレクト環境で育っているのではないかと感じた。

そういった環境下で優しく育った(?)故に、純粋に甘えられる聡子の存在は大きいのだろう。

ネタで決まったキャラクターとタイトル

これは本編とは全く関係ない小話なんだが、実はキャラクターの性別はもともと逆だった。
聡子=男性、真修=女性って感じで。
真修はもともと”なおちゃん”って女性から真修に変わったんだが、この過程があったからこそ美少年ベースのキャラクターが生まれたのかなと。
グッジョブ高野様!!

そしてタイトルだが、編集さんに出す”仮タイトル”がそのまま通ってしまったようだ笑。
高野先生本人は「ど直球&3秒で決めたタイトルなんだが大丈夫?」と心配しているようだが、僕としては編集さんと同様「分かり易く、作品の雰囲気に合ってる」と思い、良いタイトルだと思ってる。

行き当たりばったり感で「私の少年」が生まれたのかと思うと、何があるか分からんね笑

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最後

以上が「私の少年」感想です!
まだ2巻しか出ていないのですが、すでに凄い引き込まれてます!
個人的には現在連載中のマンガの中ではトップ10に入る面白さですね。

お姉さんと少年、いわゆる”おねショタ”と呼ばれるジャンルなんですが、この難しいジャンルに誠実で純粋な恋愛作品として立ち向かう高野ひと深先生の腕が楽しみでしょうがないですね!

新しい恋愛作品として、興味をお持ちになった方はぜひ観る事をおすすめします!

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